<noe>流 手作り石けん
 私の手作り石けんをお友達に差し上げるときに付けていた文章をご紹介します。
 手作り石けんの輪がもっと広がるといいな、と思っています。

 

手作り石けんについて
 この石けんは私の手作りですが、ある1冊の本に出逢うまでは、こんなに簡単に、しかもすばらしい石けんが作れるとは、私自身思っていませんでした。その本とは、前田京子さん著「お風呂の愉しみ」です。手作り石けんのレシピがたくさん載っていて、ベストセラーになっています。この石けんを使ってみて、興味を持たれた方には、ぜひご一読をお勧めします。
 私も以前は一般のシャンプーやボディーソープを使っていたのですが、数年前に「シャボン玉せっけん」という純石けん99%のものに切り替え、体も髪もそれで洗っていました。シャボン玉石けんは、現在でも食器洗いや洗濯に使用していますが、浴用としての肌への優しさという点では、まだ少し物足りなさを感じていました。そんなとき、先の本に出逢って石けんを作り、初めて体を洗ってみると、肌がびっくりするほどスベスベになりました。今では、この石けん以外は使う気がしません。
 この手作り石けんは、体・顔・髪など、体中どこを洗ってもよく、特に乾燥肌でお風呂上がりに肌がカサカサしたり、かゆくなる方には最適です。唯一の欠点は、市販の石けんよりも溶けやすく、早く小さくなってしまうことです。少しでも長持ちさせるには、お風呂から上がったら別の場所に置くとよいそうです。そこまでするのが面倒な方は、水切りのいい石けん入れに入れ、そのままお風呂に置いても構いません。私もそうしています。
 手作り石けんの原料は、オリーブオイル、ココナツオイル、ギー(インド料理に使われる椰子油)といった植物性の天然オイルです。特にオリーブオイルは、汚れを落とす力に大変すぐれていますし、肌によいオレイン酸をたっぷり含むので、洗い上がりの肌を乾燥させない効果にすぐれています。これらを加熱させずに作るため、油の質が落ちません。手作り石けんというと、使用後の天ぷら油を原料にした廃油石けんをイメージされる方が多いのですが、この石けんは肌のことを第一に考えた、全くの別物です。もちろん、廃油石けんが悪いわけではなく、作る目的・用途が違うことを知っていただきたいのです。
 原料の油、大量買い込み。
 この石けんには香料も少し添加していますが、人工の香料ではなく、アロマテラピー効果のある、天然原料100%のエッセンシャルオイルだけを使っています。ですから、肌の弱い方にも安心です。
 寝かせ中。時々かき混ぜる。
 作り方についても簡単にご紹介します。まず、オイルと苛性ソーダ水溶液を人肌程度の温度で合わせ、泡立器で約30分混ぜ、その後12〜24時間寝かせます。その間、油が分離しないよう時々かき混ぜ、どろりと固まってきたら香料を入れて混ぜ、型(牛乳パック製)に流し入れます。約1週間後にほぼ固まるので、型からはずし、包丁で切り分けます(形が不揃いなのはそのため)。その後、乾燥した場所で1ヶ月以上熟成させると、ようやく完成です。

  
 牛乳パックの型に入れ、中央を
 セロテープで止める。
 倒してもこぼれない程度に固まる
 まで、保温箱に入れる。
 牛乳パックは東京製紙のTK-PAK
 が、石けん離れがよくオススメ。
 石けんを使っていても、髪だけは合成シャンプーで洗う方がいますが、むしろ髪こそ、この石けんで洗うことをお勧めします。私は、洗いごごちのよさ、髪の手触り・つやのよさ、抜け毛が極端に減ったことなどから、石けんでのシャンプーを愛用しています。
 石けんでの髪の洗い方は、お湯でよく予洗いしてから、手に石けんを泡立てて、髪・地肌を洗います。合成シャンプーで洗いなれている方は、なかなか泡が立たず、少し面倒に思われるかもしれませんが、すぐに慣れてしまいます。髪は2度洗いしてよくすすぎます。最後に髪を中和させるため、洗面器にぬるま湯を張って、その中におちょこ1杯の酢を入れて髪を浸らせて(湯の中で髪をおどらせる感じで)リンスします。石けんで髪を洗った後は、合成のコンディショナー・リンスをしても髪が中和されないので、必ず酸のものでリンスして下さい。その後シャワーでよくすすぎます。ただし、ショートヘアーの方、男性で短髪の方は、リンスしなくても構いません。私の夫は、全くリンスしていませんが、髪は良い感じです。
 リンスに使う酢は、ミツカン酢の一番安い物で十分です。穀物酢の独特のにおいが気になる方は、リンゴ酢やラズベリー酢をそのまま使ってもいいと思います。香り付けをする場合は、ミツカン酢500ccに対し、お好みのエッセンシャルオイル数滴とグリセリン小さじ1とを加え、一晩置きます。エッセンシャルオイルだけだと分離してしまうので、必ずグリセリンを加えます。グリセリンには、髪をしっとりさせる保湿効果もあります。エッセンシャルオイルは、ラベンダーなどお好みの香りを入れます。オレンジ・レモンなどのシトラス系もよい香りです。また、ハッカ油を加えるとさっぱりした夏向きになります。
 酢の代わりとして、レモン2分の1個の絞り汁を使うこともできます。また、クエン酸の顆粒小さじ1杯を洗面器1杯のお湯に溶かしても構いません。持ち運びに便利なので、私は旅行に行くときはいつもクエン酸を持って行きます。クエン酸は500g入りのものが薬局で手に入るので、小さいものを買うより割安です。
 この石けんを気に入っていただければ、私もうれしく思います。また、ご意見・ご感想をお聞かせいただければ幸いです。

 

乃瑛のロッジ?